近田春夫『星くず兄弟の伝説』

うっかりチェックし忘れてましたが、本日(8/20)近田春夫&ビブラト−ンズのベスト盤『Vibra-Tones Fun』とともにめでたく復刻です。近田にとってソロ2作目にあたる本作は、ブライアン・デ・パルマ監督の『ファントム・オブ・パラダイス』(1974年)を下敷きにした架空のロック・ミュージカル映画のサントラ盤というコンセプトのもとに制作されたアルバムで、1985年には実際に近田本人が製作総指揮を執り、手塚眞監督によって映画化されています(動画↓参照)。

ややこしいですが、映画『星くず兄弟の伝説』のサントラ盤はまた別にあって、要するに映画の原案となったのが本作というわけ。あと、タイトルからも分かる通り、デヴィッド・ボウイの名盤『ジギー・スターダスト』(1972年)をモチーフにしてる部分がかなりあったり、でもジャケットはどういうわけか女性週刊誌のパロディだったりと、そういうやたら過剰なサーヴィス精神のおかげでかえって収拾がつかなくなってる情報を無理矢理まとめると、いかにも近田らしい毒気と洒落っ気たっぷりのなんちゃってロック・オペラが繰り広げられてそうなものですが、実際にはその逆でして…。いや、毒気はもちろんあるんだけど、このアルバムでは毒の矛先が外部(リスナーや音楽業界)だけでなく、自分自身にも向けられてる気がするわけで。おそらく、数ある近田関連作品の中でも最も内省的と言うか自虐的と言うか、もっと言っちゃえば、彼の中の鬱屈した思いや心の闇の部分が一気に噴出したのがこのアルバムではないでしょうか。特に3曲目の「若者達の心にしみる歌の数々」は、その辛辣な歌詞にかえって勇気づけられるネクラでオタクでモテない引きこもりのロック少年たちがいまだに後を絶たないんじゃないかと思えるくらい痛烈なアンチ若者な若者賛歌であり、アンチロックなロック賛歌。このへんのひねくれ具合や立ち位置のカッコよさはさすがです。ちなみに、本作には当時FILMSを率いていた才人→赤城忠治が作曲と演奏に大々的にフィーチャーされていて、そのあたりも好き者には大きな聴きどころのひとつ。てか、赤城が楽曲制作で関わった作品では、つるたろー(片岡鶴太郎)の『キスヲ、モット キスヲ…』(1982年)もテクノ/ニューウェイヴ歌謡の名盤なので、こちらも再発希望!
(1980年作品)

星くず兄弟の伝説
星くず兄弟の伝説
近田春夫

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PSY・S「Angel Night 〜天使のいる場所〜」


テレビアニメ『シティーハンター2』の第1期OPテーマ。たしか、以前コメントで店主のDJ仲間→RYOGERさんに教えてもらった曲。ひとことカッコいい!ひたすらカッコいい!!ダブルネック・ギターちょ〜カッコいい!!!CHAKAのまゆ毛ちょ〜太いっ!!!!(オイッ)ちなみに、同じ時期に同アニメのEDテーマになっていたのは、岡村靖幸の「Super Girl」。えぇ、『シティハンター』シリーズのテーマ曲は、CBS/EPICソニーのアーティストが歌うのがお約束だったんですね。80年代というか、昭和60年代のCBS/EPICソニーは最強と思います、はい。
(1988年作品)

作詞/松尾由紀夫
作曲・編曲/松浦雅也

>>公式ページ(松浦雅也・七音社)
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戸川純『TOGAWA LEGEND SELF SELECT BEST&RARE 1979-2008 』


今度こそ本当に出るようです。2月の発売予定が延期になっていた、本人監修による3枚組ベスト&レアトラックス集。ゲルニカ〜ソロ〜戸川純ユニット〜ヤプーズ〜戸川純バンド〜東口トルエンズなど、バンドやレーベルの枠を超え、30年近くに及ぶ彼女のキャリアをほぼ網羅した収録曲は以下の通り。

●DISC 1
1. 諦念プシガンガ
2. 昆虫軍
3. 隣りの印度人
4. 玉姫様
5. 蛹化の女
6. 怒濤の恋愛
7. レーダーマン(ORIGINAL MIX)
8. 母子受精(ORIGINAL MIX)
9. 電車でGO
10. 踊れない
11. 眼球綺譚
12. 海ヤカラ
13. 極東慰安唱歌
14. 夢見る約束
15. 遅咲きガール(SINGLE MIX)
16. 好き好き大好き
17. オーロラ B
18. 恋のコリーダ
19. さよならをおしえて(SINGLE VERSION)
20. フリートーキング
21. パンク蛹化の女
22. 工場見學
23. 動力の姫
24. マロニエ読本
●DISC 2
1. バーバラ・セクサロイド
2. 肉屋のように
3. コレクター
4. バージンブルース(SINGLE VERSION)
5. 吹けば飛ぶよな男だが
6. Men's JUNAN
7. ヒステリヤ
8. 赤い戦車
9. 君の代
10. ヴィールス
11. 12階の一番奥
12. NOT DEAD LUNA
13. テーマ
14. ヒス
15. いじめ
16. ラジオのように
17. オープン・ダ・ドー
18. 地球ゴマ
19. 青銅の軟体
20. 東口トルエンズのテーマ(NEW MIX)
●DISC 3
1. マスタード
2. GESSEKAI RYOKOU
3. SHINKUU KISS
4. フィギュア&グラウンド
5. G(家畜海峡)
6. 聖なる泉~モスラの旅立ち~
7. 神聖ムウ帝国亡国歌
8. おおブレネリ
9. リズム運動
10. ラジャ・マハラジャー
11. 蘇州夜曲
12. 降誕節
13. The homage for Jean-Luc Godard~movement #3
14. リボンの騎士
15. 二人のことば
16. 朝の流れ星
17. スキスキ大スキ
18. 鈴木建設社歌
19. ローハイド~TVドラマ「ローハイド」より~
20. 彼が殴るの
21. 骨
22. Femme Fatale


収録曲のうち、DISC3の10曲目→NHK『みんなのうた』で1985年にオンエアされた「ラジャ・マハラジャー」(トップ↑動画参照)は今回が初CD化なんだそうです。ちなみに、つくば博ダイエー館のテーマ曲でシングルにもなった「ポエジー」(1985年)は未収録。個人的に感慨深いのは、ラストに収められたThe Velvet Underground & Nicoのカヴァー「Femme Fatale」ですかね。80年代中頃、カセットマガジン『TRA』に収録されてたこの曲を、それこそテープが擦り切れるほど何度も繰り返し聴いたものです(CDでは藤原ヒロシの『HIROSHI'S KICK BACK(PRIVATE MIX) VOL.1』に収録)。この曲を最後にもってくるなんて、ちょっとこのアルバムは、たぶん正気では聴けないな…てか、6,000円出して買うつもりなのかヲレ?買えんのかお前に!(汗)
(2008年7月9日発売)

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TOGAWA LEGEND SELF SELECT BEST&RARE 1979-2008
TOGAWA LEGEND SELF SELECT BEST&RARE 1979-2008
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門あさ美「退屈と二つの月」


これは、数ある高橋幸宏プロデュース作品の中でも、かなり人気の高い曲のようですね。ヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)出身のシンガーソングライター、門あさ美が残した(いまのところ)最後のオリジナルアルバム『La Fleur Bleue -青い花-』に収録されてる1曲で、もともとは1983年に当時細野さんとユキヒロさんが立ち上げたレーベル→YENからデビューした小池玉緒のためにYMO名義で提供した「鏡の中の十月」という曲のリメイク。アンニュイでおフレンチな雰囲気が、いかにも当時のユキヒロさんっぽいですね。ただ、店主の場合、門あさ美に関しては、ユキヒロさんと組む前、まだニュー・ミュージック/シティ・ポップス色の強い曲をやってた頃の印象の方がどうしても強いわけで。彼女は名古屋市の出身ということで、デビュー曲の「ファッシネイション」(1979年)なんかは、当時FM AICHIとかでかかりまくりでしたからね。しかもあの美貌。当時高校生だった店主にしてみれば、まさに「憧れの隣り(愛知県)のお姉さん」って感じでした。とまぁ、そんなヨタ話は置いておいて…。そうそう、ちなみに小池玉緒の原曲の方はコンピ盤『イエローマジック歌謡曲』で聴けますよ〜♪
(1988年作品)

作詞/売野雅勇
作曲/YMO
編曲/高橋幸宏

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門あさ美 - La Fleur Bleue -青い花- - 退屈と二つの月
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ザ・ビートニクス「ARK DIAMANT」


高橋幸宏ネタ連投。ユキヒロさんがYMOと併行して鈴木慶一と組んでいたユニット→ザ・ビートニクスのライヴ映像がYouTubeにアップされてたんで、思わず見入ってしまいました。この時のサポートメンバーは、ギターがビル・ネルソン(ビ・バップ・デラックス〜レッド・ノイズ)、ドラムがデヴィッド・パーマー(パーソン・トゥ・パーソン)、そしてサックスが立花ハジメというなかなか豪華なメンツ。それにしてもみんな若い!特に慶一さん!!この曲が収録されてる彼らの1stアルバム『EXITENTIALISM 出口主義』(1981年)は、いっときホントによく聴いたもんです。でも、一番好きな曲となると、2ndの『EXITENTIALIST A GO GO −ビートで行こう−』(1987年)に入ってる「ちょっとツラインダ」ですかね。後にユキヒロさんがセルフカヴァーアルバム『ハート・オブ・ハート』(1993年)の中でもやってる脱力系ボッサの佳作。ちなみに、ザ・ビートニクスが「ちょっとツラインダ」で『夜のヒットスタジオ』に出演した時、バックでアコギを弾いてたのがpupaにも参加してる高野寛だったそうです。
(1981年作品)

>>公式ページ(高橋幸宏)
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pupa『floating pupa』

よ〜く考えてみたら、このグループ、歌う人大杉っ!そんなわけで、現在MySpaceで試聴できる1stアルバム収録曲でも、原田知世、高橋幸宏、高野寛の3人が仲良く代わりばんこに1曲ずつヴォーカルを取っています。やたらがっついたりしないあたり、みなさんオトナですね。なんとなくですが、知世さんには女優業やソロ歌手の活動と併行して、ずっとこのグループを続けてほしいです。
(2008年7月2日発売)

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アーバンギャルド「水玉病」


これ、いいすなぁ。東京の裏テクノポップアイコン→よこたんこと浜崎容子(関西人らしいですけど)を擁するユニットの最新アルバム→『少女は二度死ぬ』の1曲目に収録されてるナンバー。この曲は現在、無料音楽ダウンロードサイトのmF247で絶賛配信中なんで、みなさんもぜひゲットしてください。ちなみに、こちらのインタビュー記事によると、PVの最初の方でメンバーたちがやってる望遠鏡のポーズは、Perfumeの「チョコレイト・ディスコ」と装置メガネの「メガネジェネレーション」、それから平城遷都1300年祭の公式マスコット「せんとくん」を意識したものなんだそうです。このユニットの場合、ちょっと前にこのブログでも紹介した某料理店とは違い、その情報量の多さとまとまりのなさが、いい方向に作用してる気がします。おかげで、店主が当初抱いていた「もう何番目だか分からない戸川純フォロワー」という印象は、いまではあんまりなくなったしね。
(2008年作品)

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近田春夫「GYMNOPEDIE NO.1」

chikada
エリック・サティものではこんな珍品も。この4月から配信が開始された作品ですが、もともとは1990年にWORLD PIECE名義でパイオニアのLDプレイヤーのCM用に制作した曲だそうです(詳しくはコチラ)。長年の近田ファンには、ゲートボールのエレクトロニカ版とでも言えば、なんとなく雰囲気は伝わるかな。この絶妙なヘタうま感がいかにも近田さんぽいです。
(1990年作品)

作曲/Erik Satie
編曲/近田春夫

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近田春夫 - GYMNOPEDIE NO.1 - EP - GYMNOPEDIE No.1

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Lillies and Remains『Moralist S.S.』

京都を拠点に活動するニューウェイヴバンド→Lillies and Remainsのデビューミニアルバム。タイトル曲の「Moralist S.S.」(PV↑参照)をはじめ全6曲が収録されるそうです。タワレコがやってるネット版bounceでは「日本のジョイ・ディヴィジョン」って紹介されてましたが、それ、たとえが古すぎだろ!…とかなんとか言いながら即座に反応してしまう自分がちょっと切ないです。てか、バンド名の元ネタは、普通に考えればバウハウスの「Of Lillies and Remains」(1981年のアルバム『Mask』に収録)ってことでいいんでしょうか。そんなわけで、このバンドにはちょっとゴス風味も入ってるっぽい。アルバム収録曲の一部はMySpaceでも試聴&視聴できます。いま、この手の音に対する需要がどれくらいあるのか分かりませんが、こういうバンドがいてくれるのはなんとなくうれしい。
(2008年5月10日発売)

>>リリース元公式ページ(51 RECORDS)

Moralist S.S.
Moralist S.S.
Lillies and Remains

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若杉実監修『NO SHIBUYA:Electro,Dub&Breaks』

ゴスロリシリーズをいったんお休みして(まだ続ける気か!?w)、今日は店主が長年お世話になっている若杉実氏が監修・選曲を手がけたコンピ盤をご紹介します。このアルバムは、これまでにZAZOUやEP-4などの作品を復刻してきたNO SHIBUYAシリーズの最新作で、80年代前半にひっそりリリースされた日本のニューウェイヴ/オルテナティヴ系の超レア音源ばかりを集めたもの。収録曲は次の通りです。

01. PRESSURE「Detekoi」
02. ANIMA「Logical nation」
03. BAROQUE BORDELLO「Voice Of Shiva」
04. DEA「Pretty Smile」
05. Drone No.1「Dream」
06. TRISTAN DISCO「NUANCE」
07. YLA - MAGO「NEWS PAPER PUSH MAN」
08. 電動マリオネット「WALTS」
09. 杉林恭雄「The Mask Of The Imperial Family A2」
10. C.MEMI + NEO MATISSE「DREAM'S DREAM」
11. D.R.Y. Project「SHOCK OBSERBER」
12. TOBA, TECH「M・541」
13. Classic Pearl「Peare」
14. SYMPATHY NERVOUS「PLASTIC LOVE」
15. HERETIC「Excerpts From Interface Part 2」


はっきり言って、店主が見たことも聴いたこともない音源だらけ。それどころか、初めて名前を聴くアーティストの方が多かったりします(大汗)。当時の日本の地下ニューウェイヴシーンに興味のある人にとっては、それだけでも価値ある1枚ですが、若杉氏がさすがなのは、これらの音源を今日のクラブシーンにおける大きな潮流であるディスコダブやダブステップ的解釈でとらえ直しているところ。実際、いまクラブでかけても全然通用しそうなトラックがウジャウジャあります。てか、このアルバムを聴いて、いまかけないで一体いつかけるんだ!という妙な使命感にかられるのは店主だけでしょうか。そんなわけで、そっち方面の愛好家のみなさんから和モノDJさんまで、これと同時発売のカラード・ミュージックのデビューアルバム(復刻盤)は要チェックですぜ!
(2008年3月22日発売)

>>公式ページ(SOLID RECORDS/ULTRA VYBE)

NO SHIBUYA:Electro Dub&Breaks Nowave From The Japanese Underground 1980-1985
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