DJ♥ネグリジェのバカサガ 番外編

バカサガPART26の末尾で触れたダーティダッチとそこから派生したムームバートンに関する店主の一連の調査ツイート(12/7?12/9)を再構成して掲載します。

※記載事項に間違いがありましたらどしどしご指摘ください。

ブログのフィジェットハウス考察の中でも補足したのですが、たまにフィジェットとの類似性が指摘されるダーティーダッチとそこからタナボタ的に生まれたムームバートンについて勉強中。

まずノッケから今更なんだけど、Silvio Ecomo & Chuckie「Moombah(Afrojack Mix)」(2009年、動画↓上)とMajor Lazer「Pon De Floor」(2009年、動画↓下)じゃどっちが先なの?




Discogsによれば「Moombah」の配信開始が2009年5月でMajor Lazerのアルバムリリースが6月。しかも「Pon de Floor」はAfrojackが共同プロデューサーに名を連ねているから「Moombah」が先かな。でもこの曲、てかダーティダッチってさらに元ネタがありそう。

でもってムームバートンの発明者であるDave Nadaくんの音源はいまならこのへんでレーベル公式の無料音源が取り放題なので、彼がDiplo並みの超売れっ子になる前に根こそぎDLすることをオススメします。

でもムームバートンってBPM110前後の曲ばっかなんでUKガラージとはミックスできない。ウォンキーやスクウィーと混ぜようとすると今度は早すぎる。もう一回思いっきりピッチを上げれば音が荒れたりとか面白い効果があるのかな。昔、イミューのサンプラーSP-1200でそういう話あったよね。

>一方のダーティダッチはBPM130前後の曲が多いので、こちらはUKガラージに混ぜてプレイ可能。てか、してます。

で、改めてそれぞれの定義なんだけど、まずダーティダッチはJET SETレコードのコメントによると「オランダ産エレクトロ・ラテン・ヒップハウス」ってことらしい。

でも、実際はラテンっぽくない曲も多いし、ここは乱暴に「オランダ版フィジェットハウス」ってことにしちゃダメだろうか?

>呼び名については、いままで呟いてきたダーティーダッチよりダーティダッチの方が検索でヒットする数が多かったので、今後はダーティダッチの呼称で統一します。

一方のムームバートンは、既出のダーティダッチアンセム→Silvio Ecomo&Chuckie「Moombah(Afrojack Mix) 」 をスクリュー(ピッチを大幅に落すこと)したことから偶然生まれた新ジャンル。

その発明者であるDave Nadaによるその名も「Moombahton」ってトラックがコレ。「Moombah(Afrojack Mix)」のピッチを落しただけw

>ムームバートンの呼び名は元ネタのMoombahにレゲトン(Reggaeton)のtonを付けただけという、こっちも心底どうでもいい由来。

ムームバートンの発祥は明確だけど、ダーティダッチはどうなんだろう。とりあえず、JET SET説に則るなら、提唱者は「Moombah」の共作者であるDJ Chuckieってことになる。

提唱者ってことは、ダーティダッチの代名詞でもあるマーチングドラム、そしてあの海猫がキューキュー鳴いてるようなウワモノもChuckieの発明ってことなのか?いま彼やシーンの大物たちの音源を聴きながら検証中…。知ってるよ!って人がいたら教えて。

Chuckieは南米大陸の北部にあるスリナム共和国の出身。同国は元オランダ領であるため公用語はオランダ語。彼は13歳でDJを始め、15歳の時にオランダのハーグに渡り、本格的にDJとしてのキャリアをスタートさせたそうだ。

デビュー作は2003年に発表した「Da Partycrasher」。すでにドラムロールっぽいリズムを披露しているものの、現在のサウンドの片鱗がうかがえるというほどではない。興味深いのは翌2004年にRMXCREW名義でリリースした「Je Doet!」という曲。先生方!こ、これはUKファンキーですか?

>「Da Partycrasher」と同時期の作品「Carribean Drumuz」でもマーチ風のドラムを聴くことができるので、これはChuckieの育ったカリブ特有のリズムなのかも。

あぁ、でも同時期の他の作品とか聴くと、さっきのも本人的にはレゲトンのつもりなのかも。その後しばらくパッとしない?時期を経て、それらしい作風になるのは自身のレーベルから2008年に発表したこの曲から。
Chuckie「Let The Bass Kick」


>「Let The Bass Kick」は翌2009年にLAのヒップホップチームLMFAOの「I'm In Miami Bitch」とマッシュアップされ、むしろこちらの方が大ヒットを記録する。PVもアホだし。
Chuckie & LMFAO「Let The Bass Kick In Miami Bitch」


ちなみに、ダーティダッチの呼び名はChuckie率いるDirty Dutch Music(現Dirty Dutch Records)に由来すると思われ。

そのくせ、2007年に発表されたレーベルサンプラー『The Dirty Dutch EP Vol. 1』には、まだそれ風の作品は収録されていない。となると、少なくともChuckieに関しては2008年覚醒説が有力か。

シーンの顔役でG-REXレーベルを率いるGregor Saltoは2008年に出たコレが最初のそれらしい曲かな(リミックスだけど)。

やはりシーンの大物であるSidney Samsonは2009年のこのアンセムがモロ。

>どのリミックスです?この曲めちゃめちゃリミックスの数多いっすよねw RT @zookie_xlntz: 話が逸れちゃいますが、後々"Riverside"にAquasky人脈が絡んでくるのが気になるところです。

>zookie_xlntz これッス。Aquasky変名。そもそもvo入りver.のWizzards SleeveがBlack Noise絡みみたいで。

Bart B Moreは本人名義では今年出たコレ位しかそれらしいのが見つからなかった。

>zookie_xlntz スルーしてました。最高。これBoysNoizeからなんすね。今年はGonzalesのpro,やったり調子良いですねー

問題の「Moombah」のRemixを手がけたAfrojackは、2008年12月に出たBenny Rodriguesとの共作「Dinges」で一気にそっちに舵を切った感じ。

ちなみに「Moombah」をChuckieとともに共作したSilvio Ecomoは90年代からオランダを拠点に活動するハウス/テクノ系のDJで、一時スピードガラージにも傾倒してたらしい。その時期のお皿がコチラ

しかしアレかなぁ、俺がダーティダッチと認識してる音は要するにMajor Lazerが「Pon De Floor」で引用したスタイルのことなんだけど、一般的にはもう少し広い範囲→オランダ産のひねくれたハウス位に解釈されてるんだろうか。

なんせ素人がにわか知識で呟いてるんで大きな抜けや間違いがあるかもしれませんが、とりあえずいま見てきた流れから俺はChuckieがダーティダッチの名付け親&創始者である説に一票。

で、実はこっからが俺的には一番関心がある点なんだけど、Diploは一体いつ頃からダーティダッチに目を見つけてたのか?

DiploがAfrojack以外のダーティダッチ人脈と絡んだ作品としては、Mad Decentから出たThe Partysquadの『Hollertronix 10』があるが、これはMajor Lazerより後のリリース。知りたいのはその前だ。

しかし、去年Major Lazerがパクる前にダーティダッチをベースミュージックと認識してた人はどれくらいいるんだろうか?てか、思ってなかったの俺だけ?

Major Lazer、The Partysquadより前だと2009年2月にコレがあった。でもまだChuckie風のトラックではないね。さっき呟いた広義でのダーティダッチなのかもしれないけど。

Dance Areaと同時期、Major Lazerのちょい前ではブリちゃんの「Circus」が完全なダーティダッチだコレ。

一個重要作が抜けてた!DJ Mujava「Township Funk」。Diplo以外にもAshley Beedle、Sinden、TRG etc.…錚々たる面々がリミックスに参加した特大アンセム。



Mujavaは南アフリカの行政首都プレトリア(ツワネ)出身のDJ/クリエイターで、2008年にUKのThis Is Musicからリリースされた「Township Funk」がクロスオーヴァーヒットを記録。以前eraguruさんもブログでこの曲とUKファンキーとの親和性について言及していた。

だが、いまとなってはこの曲がダーティダッチクラシックであることも一聴瞭然なわけで、調べたらこの曲は本国では2006年にSheer Musicというレーベルからリリースされた『Sgubhu Sa Pitori』というアルバムに収録されていた。これがMujavaのデビュー作ってことらしい。

ダーティダッチを調べ始めてからというもの、絶対元ネタがある気がして仕方なかったのは、この曲がこの夏ワールドカップ関連の番組でやたら流れて耳にこびり付いてたせいだろう。

憶測だが、なんとなく答えが見えてきた。つまり、2008年に「Township Funk」がUKでリリースされる頃までには、ChuckieやDiplo周辺のDJたちも既にこの曲やMujavaのことを知っていたのだろう。

存在を知った上でChuckieは自分の作品に引用し、SindenやDiploはリミックスを提供したり自分のMIX CDに収録した。

>MujavaはSindenと相方Hervéのグループ→Machines Don't Careが2008年にリリースした12インチ「Beat Bang」にリミックスで参加している。

>Chuckieも『Dirty Dutch Outsiders』(2009年)などいくつかのMIX CDやコンピにDJ Mujavaの曲を収録して、ネタ元へのリスペクトをキッチリ示している。

で、Diploの場合さらにもう一周して自分の作風にも取り入れたと。こりゃ、Mujava発祥説で一件落着かな。

>Mujavaのヒットを受けて、今年10月にはMujavaとともに活動中のDJ Qnessが南アフリカ、プレトリア発のアフリカンエレクトロをミックスした『Town Ship Funk』というCDがアメリカのNEW STATE MUSICからリリースされた。ここに収録されたDJ Killer & Nyekx Feat. Lady B「Dansa」、Mzo Bullet「Cassablanca」あたりを聴くと、Chuckie、Diploなど欧米のDJたちはMujavaだけでなくプレトリアのエレクトロ/ゲットーベースシーンそのものに強くインスパイアされたのかもしれない。

ダーティダッチ研究整理。発祥(というか元ネタ)は南アフリカ、プレトリアのDJ Mujava並びに彼に代表される同地のエレクトロ/ゲットーベースシーン(2006年頃)。それをオランダのDJ Chuckieがフィジェットハウスと組み合わせて独自のハウススタイルに昇華させる(2008年頃)。

同時期にDiploやSinden、HervéなどもMujavaに接近(リミックス作品を提供、または依頼)し、オランダのシーンにも好意的だったDiploはブリちゃんのリミックスやMajar Lazerの作品で自らダーティダッチを実践する(2008?2009年頃)。

さらに、ワシントンのゲットーベースDJ Dave Nadaはダーティダッチの「Moombah(Afrojack mix)」をスクリューさせることでムームバートンという全く新しいベースミュージックを発明した(2010年頃)。

以上、もしかしたらみんながとっくに知ってるかもしなれないことを長々と呟いたわけですが、お前それ全然違うよ!とかツッコミどころがありましたらどうぞ遠慮なくご指摘ください。

しかしアレだ、Major Lazerのインタビューもネットで拾えるヤツを何本か読んだけど、みんなダンスホールの部分に固執し過ぎて、ダーティダッチについてDiploに訊いてるのはKohei Onukiって人のこのインタビューしかなかった。

ともあれ、ダーティダッチや「Pon De Floor」のおかげで、そっち(非UKガラージ)方面からもダブステップ以降のベースミュージックシーンに対するリスナーの関心が高まった気がするわけで。

オマケと言っちゃナンだが、いまや世界でも有数のベース量産国である韓国にももちろんダーティダッチネタはあるに決まってるわけで、今年出たAfter Schoolのコレとかマーチングドラム推しすぎですからw

(一応、完)

Silvio Ecomo & Chuckie「Moombah(Afrojack Mix)」のiTunesでの試聴・購入はコチラ
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